熱の不可逆性と時間の流れとの関連

熱力学第二法則と熱、不可逆性、時間の進む向きについて詳しく関係を見ていこう。 クラウジウスの表現から、熱は高温物体と低温物体が接している際に起こり、高温から低温へ伝わり低温から高温へは伝わらないため、熱の伝わる過程は不可逆であり、時間の進む向きが決まる。 トムソンの表現から、一つの熱源から仕事を取り出すことはできない(仕事を取り出して運動エネルギーや電気エネルギーに変換することはできない)ので、等温環境から熱を取り出し仕事へ変換することはできない。摩擦などの発熱の過程は仕事を熱に変換するが、発熱は過程を逆にできず不可逆過程であり時間の向きが決まる。発熱では多くの場合で力学的エネルギーが不可逆的に内部エネルギーへ変化し、発生した熱が大きい場合は不可逆な変化がより大きく可逆的な変化からより離れる。

クラウジウスの表現とトムソンの表現は同じことを表している。そのことを示すために、付録B.3 $^{\text{p.\pageref{sec-2ndLawThomsonClausius}}}$にクラウジウスの表現に反すればトムソンの表現にも反し、トムソンの表現に反すればクラウジウスの表現にも反することを示す。

トップページ
この図を含む文章の著作権は椿耕太郎にあり、クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際 ライセンスの下に公開する。最新版およびpdf版はhttps://camelllia.netで公開している。