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2.1.1 保存の関係

支配方程式では、知りたい物理量に関する保存式を立てる。支配方程式はそれぞれ、保存を考えるコントロールボリューム(境界領域)について考える。例として図2.1のような排出口のある水槽をコントロールボリューム(境界領域)として水の体積$ V$ [m$ ^3$ ]の保存を考えてみる。ある時間$ t$ [s]での水の体積を$ V(t)$ [m$ ^3$ ]、$ \Delta t$ [s]後の水の体積を $ V(t+\Delta t)$ [m$ ^3$ ]と表す。$ \Delta t$ [s]間で変化する水槽の水の体積は、入ってくる水の流量$ F_{in}$ [m$ ^3$ /s]と出ていく水の流量$ F_{out}$ [m$ ^3$ /s]に経過時間$ \Delta t$ [s]を掛けて次の関係で表される。

$\displaystyle V(t+\Delta t) - V(t) = F_{in} \Delta t - F_{out} \Delta t$    

両辺を$ \Delta t$ で割ると次式となる。

$\displaystyle \dfrac{V(t+\Delta t) - V(t)}{\Delta t} = F_{in} - F_{out}$    

左辺は"水槽に入ってる量$ V$ [m$ ^3$ ]の$ \Delta t$ [s]での変化量"となる。 ここで時間の変化$ \Delta t$ [s]が限りなく小さい場合には次式となる。

$\displaystyle \lim_{\Delta t \to 0} \left\{ \dfrac{V(t+\Delta t) - V(t)}{\Delta t} \right\}$ $\displaystyle = F_{in} - F_{out}$    
$\displaystyle \frac{\partial V}{\partial t}$ $\displaystyle = F_{in} - F_{out}$ (2.1)

上式の左辺は水槽の水量の時間変化、右辺は出入りする水の流量である。

水槽が密閉されており中の水の様子が観察できない場合でも、上式に水の流入量と流出量を代入することにより、水の体積の変化を知ることができる。

図 2.1: Control Volume Water
\includegraphics[width=50mm]{figures/ControlVolumeWater.eps}


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