next up previous contents
Next: 1.5.1 可逆サイクルの効率 Up: 1. 熱と仕事と理想サイクル Previous: 1.4.7 サイクルの効率


1.5 可逆サイクルの特徴

熱が伝わる際に熱機関で仕事を取り出せる効率の限界はどれくらいだろうか。この検討のため、まず可逆サイクルを仮定して特徴を考える。

あるサイクルが完全に逆の動作をすることが出来るとき、そのサイクルを可逆サイクルと呼ぶ。図1.9 p. [*]の熱機関が可逆サイクルであれば、逆に動作させると熱の向きと仕事の向きが逆になるのでヒートポンプとして動作する。その際、同じ二つの熱源に対して、同量の熱を逆向きに受け渡し、同量の仕事を外部より受け取るので、以下の関係が成り立つ。

$\displaystyle Q_{E, H 可} = - Q_{P, H 可}
$

$\displaystyle Q_{E, L 可} = - Q_{P, L 可}
$

$\displaystyle W_{E 可} = - W_{P 可}
$

上式と式(1.9)と式(1.11)から可逆サイクルにおいてはヒートポンプの効率は熱機関の効率の逆数で表され、どちらかの効率が決まればもう一つの効率も決まり、熱機関の効率とヒートポンプの効率は反比例の関係にあることが分かる。



Subsections
next up previous contents
Next: 1.5.1 可逆サイクルの効率 Up: 1. 熱と仕事と理想サイクル Previous: 1.4.7 サイクルの効率


この図を含む文章の著作権は著者にあり、クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 3.0 非移植 ライセンスの下に公開する。