のサイクル)の過程を逆にした、図1.6のようなサイクルを考える。状態1から状態4では断熱圧縮過程、状態4から状態3では等積冷却過程、状態3から状態2では断熱膨張過程、状態2から状態1では等積加熱過程となる。
このサイクルでの圧力変化の概略は図1.7のようになる。このサイクルで外部と仕事のやりとりがある過程は体積の変化する状態1から状態4と状態3から状態2である。この過程で、体積の変化は等しいので、仕事の大きさは圧力によって決まり、次の関係が成り立つ。状態1から状態4では仕事をされているので正の値、状態3から状態2では仕事をしているので負の値となる。そのため絶対値をとり大きさを比較する。
図1.8のように、状態2から状態1では高温の熱源2-1へ熱を渡し(負の値)、状態4から状態3では低温の熱源4-3から熱を受け取っている(正の値)。このように、サイクル全体としては仕事をされ、低温熱源から高温熱源へ熱を伝えており、ヒートポンプとして働いている。
実際に世の中で使われているヒートポンプとして冷蔵庫やエアコン(クーラー)がある。冷蔵庫やエアコンのサイクルは閉じた系ではないが、同じように考えられる。冷蔵庫やエアコンと図1.6のサイクルの対応は以下のようになっている。
熱機関やヒートポンプの様なサイクルではなく、サイクル全体として周囲と熱や仕事のやりとりがゼロとなる付録B.2(p.
)のような役立たずのサイクルもありえる。